これまでに調味料の選び方をお話しました。
添加物の入っていないものをちゃんと選んでいる方はいらっしゃるかと思いますが、油脂は盲点だったのではないでしょうか?
口にして良い油脂の選び方をみていきましょう。
ポイントは「何が自然なのか」ということです。
昔の人々はどのように油脂を摂っていたでしょうか?
答えは、獣脂やナッツ(ピーナッツではない)などの木の実から摂っていました。
植物種子から油を摂る時に、原料から油が摂れる割合をみていきましょう。
植物種子の中でも油が効率よく取れるのは「ごま」です。
ごま油150gを作るのに、ごまはおよそ40~45株、簡単に言うと300gくらい必要だそうです。
貴重な一番搾りのごま油は、重量のおよそ30%しか取れません。
一番効率の良いごま油でも、重量の30%~50%しか取れないのです。
植物種子から油を摂るのは非常に効率が悪いことがわかっていただけると思います。
それでは、我々がまだ狩猟採集をしていた頃にタイムスリップしてみましょう。
狩猟採集をしていた頃は当然肉食ですね。
あとは木の実を拾って食べたりしていたと思います。
こういった時代がだいたい100万年続いたと言われています。
その後、農耕が始まったのがだいたい1万年前です。
そもそも、動物の肉や木の実から油を摂取していた時代の方が長いのです。
農耕以前も稲や麦を見つけて食べることはあったかと思いますが、とっても食べにくいですよね。
これを鳥たちと取り合いっこして、お腹いっぱいにたべるのはとても難しかったはずです。
食べることすら難しいのに、そこから油をとるとは、ちょっと考えにくいのです。
栽培をして、収穫できたものが余った後に考えるはずです。
それに、栽培を始めた当初は余るほどにはできなかったと思います。
何度も改良をして、それから余るほどに栽培できるようになったのだと思います。
搾油が始まったのはそこからのはずです。
わざわざめんどくさい工程を経て搾油をしたとして、それをどんなことに活用したのか。
苦労してとれたもので揚げ物をしたでしょうか?
そんなことをしたとは考えにくいですね。
菜種の油脂のことが最初に文献に出てくるのは、提灯やぼんぼりをつけるのに使用されたと出てきます。
さて。
そもそも、植物のタネには何かがあるのですがご存知でしょうか?
消化阻害物質などの毒素です。
動けない植物は、動物にあえて自分を食べさせ、消化されずに糞として排出されることで繁栄してきました。
その毒素はどこに行くと思いますか?
油を摂った後のカスに残るかもしれません。
油の方に残るかもしれません。
種子オイルは要注意です。
さらに、ベニバナ、コーン、大豆にも毒素の問題は残ります。
植物自身が持っている毒素以外にも毒素の問題はありますよ。
石油系溶剤です。
一番効率よく取れるごま油でも、重量の30~50%しか油がとれないと言いました。
劇的に量を増やすために何をするかと言うと、石油系溶剤を添加するのです。
そうすると、その石油系溶剤に油が混ざって出てきます。
こうやって採取した場合は通常よりもよく油がとれるのです。
それから、少し熱を加え、石油系溶剤を揮発させ、油が出来上がります。
揮発しているとは言え、一度は石油系の溶剤に混ぜたのですから、影響が全くないとは言い切れません。
この石油系溶剤の問題は種子オイル以外にも、オリーブオイルやアボカドオイルにもあるのですが、種子オイルとオリーブオイル、どちらが安全かと言うとオリーブオイルだと考えられます。
ただ、いずれにせよわざわざ実を絞って油をとるというのは、食料に余裕ができてからすることです。
もしも食料が十分になかったら、オリーブの実をそのまま食べませんか?
こういったところに、油脂を選ぶ際のヒントが隠されていますよ。
われわれが長く摂ってきたのは獣脂や木の実の油脂です。
猪や豚、牛、クジラ、鹿などの油やバター、ギーなどを選ぶと良いです。
植物の油ではオリーブオイルやココナッツオイル、アボカドオイルなどが良いです。
種子からとった油は要注意です。
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