「いつかはやってみたい」と思っていた醤油作り。
思い切って仕込んでみました。
今までなぜやっていなかったかというと、とにかく手間がかかるから。
醤油は一度仕込むと最低でも2週間は毎日必ずかき混ぜる必要があります。
その後も一切放置!というわけにはいかないのです。
だけど、まあ物は試しだ。と思い仕込んでみました。
醤油蔵は戦前までは1つの町に1つあったと言われており、当時は全国で1万軒も醤油蔵があったそうです。
しかし今では1300軒を下回り、年間で30~40軒の醤油蔵が廃業しているようです。
今はスーパーで水よりも安く売られていることもある醤油。
戦前は一升瓶の醤油が散髪代と同じくらいする、高級品だったそうです。
それもそのはず。醤油作りはとても手間のかかるものであり、だからこそそれだけの価値があるのです。
現在のような価格では、昔のように手間暇かけた製法で醤油を作ることはできません。
コスト削減のために、「脱脂加工大豆」といって、大豆油を作った後の大豆を再利用し、アルコールを使って醸造の時間を短縮します。
そうやって大手メーカーがコストを削減して安くつくった醤油がたくさん売れるようになってからは天然醸造を続ける醤油蔵は減りました。
協同組合という形で大きな大手メーカーの工場ができ、そこが作る醤油を買い入れ、販売する形となっていきました。
ですが、本物の醤油はとにかく味が全然違う。
何種類もの酵母や乳酸菌が大豆や小麦をゆっくりと分解して旨味を作ります。
それを塩で守って腐らないようにしながら、時間をかけて出来上がるのです。
そうして出来上がった醤油が、小手先の技術でできあがった醤油と同じ味になるわけがない。
醤油づくりには、人間の力の及ばない領域があるのです。
古来から続く伝統的な作り方と、酵母や乳酸菌の力を絶やしてはいけないと思います。
酵母や乳酸菌の力って本当にすごいのですよ。
私の住む広島は原爆が落ちたところです。
急激に放射能を浴びてしまった人でも、死んでしまう人とそうでない人がいました。
この違いに、塩・醤油・味噌が関係したと言われています。
ただし、医学的なデータは一切ありません。
当時から存在しているABCCという団体が、放射能被ばくに関するデータは一切取り上げてしまっています。
もう80年近く前のことですから、生き証人もいなくなっています。
今の人たちがこういった話をまったく知らないこともとてももったいないと感じます。
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