「うどんは消化に良い」誰しもがそう思っていることでしょう。
小さい子が食べやすいように、外食の時は麺類を選んだり、胃の調子が良くない時にうどんを食べる。
こういう人は多いと思います。
ですが、人間の食性や消化のプロセスがわかっていれば、こういったことはしないでしょう。
とっても大まかに言うと、人間は唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液で消化を進めます。
うどんは炭水化物です。
基本的には唾液と混ざってアミラーゼと反応し、糖化が起こります。
次に、ごっくんと飲み込んで胃に入ると今度は胃液が出てきます。
炭水化物は胃液をたくさん出すことができますが、胃液とは全く反応しないのです。
胃液には炭水化物を消化する酵素は含まれていません。
さらに、胃液はみなさんご存知の通り強塩酸ですが、その強塩酸で炭水化物を溶かすことはできません。
胃の次の工程はすい臓です。膵液はたくさんの種類の消化酵素を出すことができます。
アミラーゼも出すことができますから、ここでやっと消化が進んでいきます。
それから胆汁も出てきますが、胆汁にも、炭水化物は無反応です。
腸液にはマルターゼという酵素が含まれています。
このマルターゼでやっと、炭水化物がブドウ糖にまぜ分解されます。
その後、小腸から吸収されて全身に送られます。
さあ、思いめぐらせてください。
「うどんは消化に良い」が間違いであることに気付きましたか?
炭水化物が最終的に消化されるのは腸に入ってからです。
さらに、胃の中では全く消化されません。
汚い話ですが、嘔吐物を思い出していただくと、かたちがそのまま出てくるものは野菜やキノコ類、米、麺類なのです。
肉や魚がゴロっと出てくることはないはずです。
「うどんは消化に良い」は大きな間違い。
これを信じて小さなお子さんに与えたり、胃の調子が良くない時に食べると余計に調子が悪くなります。
この話をすると、「唾液にアミラーゼが含まれているのだから、炭水化物が人間にとって重要なのだ」と言う方が出てきます。
では、どうして人間は虫歯になるのでしょう。
虫歯になるのは人間かクマぐらいなのです。
(人間に飼われているペットは除きます。動物は人間が飼ったとたんに病気になります)
炭水化物の消化プロセスをご紹介しましたが、「炭水化物と唾液が混ざり、”糖化”が起きる」というところが厄介なのです。
口の中で糖化が起こり、虫歯の原因になるのです。
もしも「炭水化物が消化に良い」「炭水化物が人間の身体にとって重要である」というのが合っているのであれば、「人間は虫歯になる」というのはオカシイのです。
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