「毒を出すのには松の葉茶が良い」
「重曹が良い」
などという健康法をみますが、何か不調を治すならばまず出すことを考えると良いです。
今日は「なぜ、いれるよりも出すことを考えなければならないのか」というお話です。
(人によっては突然1人で断食をしない方が良い方もいますので、不調を本気で治すために断食をしたいという方は必ずご連絡をください。知識がないままになんとなくマネをするのはとても危険です。)
なぜ、いれるよりも出すことを考えなければならないのか。
私たちの身体は「防御」と「修復」を一度には行えないからです。
私たちの身体の機能はおおまかに「成長・増殖」と「防御」の2つに分けられます。
生き残る上で「防御」が大事なことはよくわかるかと思いますが、「成長・増殖」についてはあまりピンと来ないかもしれません。
大人になると「成長」はしませんが、身体の中では常に細胞分裂が行われ、細胞が新しく生まれ変わっています。つまり、常に「増殖」が行われているのです。
ですが、私たちの身体はこの「成長・増殖」と「防御」を同時に行うことができないのです。
ヒトの細胞の培地に有害物質を入れてみる、という実験を行った結果、細胞たちはその有害物質から逃げる(=防御)という反応を示します。
逆に、細胞に栄養を与えると細胞は栄養分に引き寄せられます。
栄養分など、生命を生きながらえさせる信号には引き寄せられ、有害物質など脅威を与える信号からは逃げるのです。
これらの反応が同時に発動できないのです。
細胞は「引き寄せられる方向=前方」と「逃げる方向=後方」に同時に移動できないのですから当然のことです。
スタンフォード大学で行われた研究結果でも同様のことがわかります。
火と血管内皮細胞に栄養分を与えた時と、防御反応を引き起こす刺激を与えた時とでは、細胞の形態が異なるのですが、その異なる形態を同時に示すことはできませんでした。
人間も同じですよね。
ライオンに追いかけられたら、逃げている最中に食べ物を探すべきではありません笑
持てるエネルギーのすべてを生き残る方に使わなければなりません。
つまり、「成長・増殖」にエネルギーを使うべきではないのです。
「成長・増殖」が抑制されるのは、エネルギーを生存に関わる組織に回すためだけではありません。
「成長・増殖」には、環境とのやりとりが必要になるのです。この時に、生体のシステムは環境に対してオープンになるのです。
ところが、防御をすべき時には身体の入り口を閉ざして、察知された脅威に対して防御壁を築かなくてはなりません。
どうやっても矛盾が生じてしまうのです。
「入れながら出す」がそもそも難しいのです。
不調を治したければ、まず”入れる”よりも”出せ”
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